里村糖尿病内科イオンタウン東浦和院
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糖尿病の治療薬一覧

糖尿病の治療薬一覧

当院の薬剤選択

当院では、患者様の血糖値の状態、ライフスタイル、合併症の有無、インスリン分泌能力などを総合的に判断し、最適な薬剤を選択しています。

ここでは、現在おもに使用されている糖尿病治療薬(飲み薬・注射薬)について解説します。
ページの一番下には比較した表もございますので、ぜひ参照してください。

飲み薬(経口血糖降下薬)

1. DPP-4阻害薬(インクレチン関連薬)

食事を摂ると小腸から分泌される「インクレチン」というホルモンの分解を防ぎ、血糖値が高い時だけインスリンの分泌を促すお薬です。
日本人の糖尿病体質によく合っているため、現在最も多く処方されている薬剤の一つであり、低血糖のリスクが少なく太りにくいという特徴があります。
単独で使用するだけでなく、他の薬剤と併用されることも多いため、治療のベースとなることが多いお薬です。

主なお薬

ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリア、スイニー、ザファテック、マリゼブ など

期待される効果

食後高血糖の改善、血糖変動の安定化、HbA1cの低下。

主な副作用

便秘や腹部膨満感などの胃腸症状が現れることがありますが、重篤な副作用は稀です。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 1,800円 ~ 3,000円
後発品:約 800円 ~ 1,500円

2. GLP-1受容体作動薬(経口薬)

これまで注射薬しかなかったGLP-1受容体作動薬を、特殊な技術で飲み薬にした画期的な薬剤です。
胃の内容物の排出を緩やかにして食後の急激な血糖上昇を抑えるとともに、脳の食欲中枢に働きかけて食欲を自然に抑制する効果も期待できます。
服用の仕方に特徴があり、起床時の空腹時に少量の水で服用し、その後30分間は飲食を避ける必要があります。

主なお薬

リベルサス

期待される効果

強力な血糖降下作用、体重減少効果、食欲の抑制。

主な副作用

飲み始めに吐き気や胃のむかつきを感じることがありますが、多くは数週間で改善します。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 1,300円 ~ 4,500円(用量による)
後発品:なし

3. スルホニル尿素薬(SU薬)

すい臓のβ細胞を直接刺激して、強制的にインスリンの分泌を促す、古くからある強力なお薬です。
内服後24時間持続的に血糖値を下げる効果がありますが、効果が強いぶん低血糖には十分な注意が必要です。
長期間使用し続けるとすい臓が疲弊して効果が弱まることがあるため、適切な時期や量を見極めて使用します。

主なお薬

アマリール、グリミクロン、オイグルコン など

期待される効果

確実で強力な血糖降下作用。

主な副作用

低血糖(冷や汗、動悸、手の震えなど)、体重増加。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 400円 ~ 900円
後発品:約 200円 ~ 500円

4. 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

SU薬と同様にすい臓からインスリン分泌を促しますが、効果の発現が非常に早く、作用時間が短いのが特徴です。
食事の直前に服用することで、健康な人のインスリン分泌パターンに近づけ、食後の急激な血糖上昇(食後高血糖)をピンポイントで抑えることができます。
食事を摂らない時は服用しないため、不規則な食生活の方でも比較的使いやすいお薬です。

主なお薬

グルファスト、シュアポスト など

期待される効果

食後高血糖の改善、血糖値スパイクの抑制。

主な副作用

低血糖(特に服薬後に食事を摂り損ねた場合)、腹部膨満感。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 900円 ~ 1,800円
後発品:約 400円 ~ 900円

5. イメグリミン

ミトコンドリアという細胞内のエネルギー工場に働きかけることで、「インスリン分泌の促進」と「インスリン抵抗性の改善(効き目を良くする)」の2つの作用を併せ持つ新しいタイプのお薬です。
既存の薬剤とは異なる仕組みで働くため、他の薬で効果が不十分な場合でも追加効果が期待でき、糖尿病治療の新たな選択肢として注目されています。

主なお薬

ツイミーグ

期待される効果

血糖値の低下、インスリン分泌能の保護・改善への期待。

主な副作用

吐き気、下痢などの胃腸症状。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 2,800円
後発品:なし

6. ビグアナイド薬

肝臓で糖が新しく作られるのを抑えたり、筋肉での糖の利用を促したりして血糖値を下げるお薬です。
インスリンの分泌を増やさずに血糖値を下げるため、低血糖や体重増加のリスクが極めて低く、世界中で第一選択薬として広く使われています。
欧米人に比べてインスリン分泌が弱い日本人でも、肥満傾向のある方を中心に高い効果が認められています。

主なお薬

メトグルコ、メトホルミン など

期待される効果

空腹時血糖の改善、体重増加の抑制、インスリン抵抗性の改善。

主な副作用

下痢、吐き気、乳酸アシドーシス(脱水時や過量飲酒、腎機能低下時に稀に起こる重篤な症状)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 600円 ~ 900円
後発品:約 300円 ~ 600円

7. チアゾリジン薬

肥満細胞に働きかけることで、インスリンの効きを悪くする物質の分泌を抑え、インスリン抵抗性を根本から改善するお薬です。
特に内臓脂肪が多く、インスリンは出ているけれど効きが悪いタイプの方に効果的です。
ただし、副作用として体に水分を溜め込みやすくなるため、心不全の既往がある方には使用できず、定期的な体重チェックが必要です。

主なお薬

アクトス

期待される効果

インスリン抵抗性の強力な改善、HbA1cの低下。

主な副作用

むくみ(浮腫)、急激な体重増加、貧血、女性における骨折リスクの上昇。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 900円 ~ 1,800円
後発品:約 300円 ~ 600円

8. α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)

小腸での糖質の分解・吸収を遅らせることで、食後の急激な血糖上昇を抑えるお薬です。
食事の直前に服用することで、まるで野菜を先に食べた時のような効果を薬理的に作り出します。
インスリン分泌には直接関与しないため単独での低血糖リスクは低いですが、おならが増えたりお腹が張ったりするという特有の症状が出ることがあります。

主なお薬

ベイスン、グルコバイ、セイブル

期待される効果

食後高血糖の抑制、インスリン節約効果。

主な副作用

おならの増加、腹部膨満感、下痢(飲み始めに多い)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 900円 ~ 1,500円
後発品:約 400円 ~ 800円

9. SGLT2阻害薬

血液中の余分な糖を尿と一緒に体外へ排泄することで血糖値を下げる、比較的新しいタイプのお薬です。
1日あたり200〜400kcal相当の糖を排出するため、血糖改善だけでなく、体重減少や血圧低下も期待できます。
近年では、心臓や腎臓を保護する効果も確認されており、合併症予防の観点からも積極的に使用されるようになっています。

主なお薬

フォシーガ、ジャディアンス、カナグル、スーグラ、ルセフィ、デベルザ など

期待される効果

血糖およびHbA1cの低下、体重減少、心不全・腎臓病の進行抑制。

主な副作用

頻尿、脱水、尿路感染症・性器感染症(膀胱炎やカンジダなど)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

先発品:約 2,000円 ~ 3,000円
後発品:約 900円 ~ 1,500円

注射薬(インスリン・GLP-1・GIP/GLP-1)

1. 超速効型インスリン製剤

食事の直前に注射し、食事による急激な血糖上昇を抑えるためのインスリンです。
打ってすぐに効果が現れ、数時間で作用が消失するため、生理的なインスリン分泌(追加分泌)を再現することができます。
食事のタイミングに合わせて打つ必要があり、食事を摂らない場合は使用しません。

主なお薬

ノボラピッド、ヒューマログ、アピドラ、ルムジェブ、フィアスプ

期待される効果

食後高血糖の確実な抑制。

主な副作用

低血糖(特に食事量が少ない場合や食事時間が遅れた場合)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

約 3,000円 ~ 5,000円(用量により大きく異なります。管理料別途)

2. 持効型インスリン製剤

1日1回(または2回)決まった時間に注射し、24時間ほぼ一定の効果を持続させるインスリンです。
食事の内容に関係なく、生きていくために最低限必要なインスリン(基礎分泌)を補う役割を果たします。
血糖値のベースラインを全体的に下げる効果があり、超速効型と組み合わせて使用することもあります。

主なお薬

トレシーバ、ランタス、レベミル、インスリングラルギンBS など

期待される効果

空腹時血糖の安定化、1日を通した血糖コントロールの底上げ。

主な副作用

低血糖(超速効型に比べると頻度は低い)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

約 3,000円 ~ 5,000円(用量により大きく異なります。管理料別途)

3. GLP-1受容体作動薬(注射)

インスリン分泌を促すと同時に、食欲を抑え、胃の動きを緩やかにすることで体重減少効果も期待できる注射薬です。
インスリン製剤とは異なり、血糖値が高い時だけ膵臓に作用するため単独では低血糖を起こしにくく、血糖測定が必須ではない場合もあります。
週に1回打つ薬剤が主流となっています。

主なお薬

オゼンピック、トルリシティ、ビクトーザ、マンジャロ(GIP/GLP-1として後述)など

期待される効果

強力な血糖降下、体重減少、食欲抑制、心血管保護作用への期待。

主な副作用

吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの胃腸障害(使い始めに多い)。

おおよその薬価(3割負担・月額)

約 3,000円 ~ 11,000円(製剤や用量により異なります。管理料別途)

4. GIP/GLP-1受容体作動薬

GLP-1に加えて「GIP」という別のインクレチンの作用も併せ持つ、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。
2つの受容体に作用することで、従来のGLP-1受容体作動薬よりもさらに強力な血糖降下作用と体重減少効果が臨床試験で示されています。
週に1回の注射で済みますが、その効果の強さから、導入には専門医による慎重な判断が必要です。

主なお薬

マンジャロ

期待される効果

強力な血糖降下および体重減少効果。

主な副作用

悪心、嘔吐、下痢、食欲減退などの胃腸症状。

おおよその薬価(3割負担・月額)

約 2,000円 ~ 12,000円(用量により大きく異なります。管理料別途)

治療薬まとめ一覧表

薬剤分類おもな商品名薬剤の特徴おおよその月額費用目安
(3割負担・薬剤費のみ)
飲み薬(経口血糖降下薬)
DPP-4阻害薬ジャヌビア, グラクティブ, トラゼンタ 他副作用が少なく使用頻度が多い800円~3,000円
経口GLP-1受容体作動薬リベルサス血糖降下, 食欲抑制, 体重減少1,300円~4,500円
SU薬アマリール, グリミクロン 他強力なインスリン分泌促進。低血糖に注意。200円~900円
グリニド薬グルファスト, シュアポスト 他食前内服で食後高血糖の改善400円~1,800円
イメグリミンツイミーグ新しい薬剤。インスリン分泌促進 + 抵抗性改善約2,800円
ビグアナイド薬メトグルコ 他世界中の第一選択薬。インスリン抵抗性改善300円~900円
チアゾリジン薬アクトスインスリン抵抗性改善。むくみや骨折注意。300円~1,800円
α-GI薬ベイスン, グルコバイ, セイブル食前内服で糖の吸収遅延400円~1,500円
SGLT2阻害薬フォシーガ, ジャディアンス, カナグル 他尿からの糖排泄, 体重減少, 心腎保護900円~3,000円
注射製剤
超速効型インスリンノボラピッド, ヒューマログ 他食後高血糖の抑制(3-4時間)使用量による
持効型インスリントレシーバ, ランタス 他基礎分泌の補充(24時間)使用量による
注射GLP-1受容体作動薬  オゼンピック, トルリシティ 他強力な血糖降下, 体重減少.心腎保護3,000円~11,000円
GIP/GLP-1受容体作動薬マンジャロ強力な血糖降下・体重減少2,000円~12,000円

※ 薬価は2025年時点の概算です。
処方日数、薬局の体制、ジェネリック医薬品の選択有無により変動します。
また、注射薬は別途「在宅自己注射指導管理料」「血糖自己測定加算」などがかかります。

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