頭痛、もの忘れ、歩きにくさ、しびれ… まず行う検査は?
こんにちは!里村糖尿病内科イオンタウン東浦和院、脳神経内科の田中です。
みなさんは、ひどい頭痛や最近増えてきたもの忘れ、歩きにくさや手足のしびれといった症状で病院を受診するとき、どのような検査を想像されるでしょうか。きっと多くの方が、大きな機械に入って脳や脊髄の断面をきれいに撮影する、MRIのような画像検査を思い浮かべると思います。写真として目に見える形で写るため、これさえ受ければ原因がすべて分かると感じてしまいますよね 。
しかし、私たち脳神経内科の医師が診察の際、何よりも最初に行うのは、丁寧にお話を伺う問診と「神経学的診察」というプロセスです。今回は、MRIと神経学的診察のふたつ検査法の違いや、それぞれの役割について分かりやすくお話ししていきます 。
「脳・脊髄・神経・筋肉の検査」といえばMRI?
MRIは出血や梗塞、血管のコブ(動脈瘤)、骨や椎間板の変形など、いわば「形」の変化を非常に精密に映し出してくれる素晴らしい検査です 。その一方で、たとえ神経や血管などの機能に異常があっても、形が変わらなければ変化をとらえることができません 。そのため、片頭痛や緊張型頭痛、初期の認知症、パーキンソン病など、形の変化がほとんどない病気では、MRIの結果は正常と出てしまいます 。
また、手先や足先の神経の評価はできないため、末梢神経の障害によるしびれなどもMRIでは評価できません 。さらに、全身をいっぺんに撮影することはできないため、撮影する部分を正しく絞り込まないと病変を見逃してしまうリスクもあります 。
実はより短時間で詳しく症状を評価できる「神経学的診察」
そこで大活躍するのが、医師の「手」と「目」を使って行う神経学的診察です 。これは、医師が直接体に触れたり、いくつかの動作をお願いしたりしながら、脳や神経、筋肉が正しく働いているかを確かめる検査です 。目で指の動きを追ってもらったり、力比べをしたり、小さな医療用のハンマーで手足をポンポンと叩いて反射を見たりしながら、頭から足先まで全身の機能を5分から10分程度でまとめて評価することができます 。
この診察によって、症状の原因となっている異常がどこにあるのか推定でき、MRI検査が必要なのか、MRIが必要な場合にどの部位を検査するべきなのかがわかります。現代のような画像検査がなかった時代に、先人たちが編み出した技術ですが、症状がある場合の検査としては、現代でもMRIより優先して行うべきすぐれた検査なのです 。
もちろん、神経学的診察にも苦手な部分があります。それは「形に異常はあっても、何の症状も出していないもの」を見つけることです 。小さな脳梗塞や血管の狭窄、破裂していない小さな動脈瘤などは通常症状を伴わないため、そのような異常があるかどうかを調べるには、MRIによる確認が必要になります 。
当院での診療について
当院の脳神経内科では、患者さんお一人おひとりの小さなお困りごとにもしっかりと耳を傾け、この丁寧な問診と専門的な神経学的診察をベースにした診療を心がけています 。頭痛やもの忘れ、手足の動かしにくさなどで、一度詳しく診てもらいたいなと感じることがあれば、どうぞ我慢せずにお気軽にご相談ください 。
東浦和駅より1分